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メモ帳の引用とメモ

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いつもありがとう。あなた、だれ?

アタマは半分、夢の中。

体はいたって丈夫、頑丈、疲れ知らず、病気知らず。
こういう人は、元気のあまり、どこにでも行き、力任せになんでもするから、
アタマが夢の世界にいる時、体や行動も夢の世界に連動する。

なにをしでかすか、わからない。
どこに行くか、わからない。

暴力や激昂など、そういう部類のことはないが。

いちばん、目が話せない類である。

母が、もう何度もお願いしているマッサージ師の方と、マッサージ中、おしゃべりをしている。


マッサージ師さん
「○○さん(母)、健康なしっかりした躯体をなさっていますね」


「わたしはね、小さい頃、田舎の野山を駆け巡って遊んでいたからでしょうね。
健康で丈夫なんですよ。
それに若い頃、バスケットボールをしていましてね。それもあるんじゃないかしら?」

傍らで聞くわたしは、耳を疑う。
はあ? バスケットなんか、初耳卓悅化妝水
どっぷり戦中派の母の世代は、軍需工場で、女子学生は学業そっちのけで勤労奉仕、
あの地域、背景、時代では、不可能、ありえない。
夢の世界の話をしているんだなあ、と。
(明治生まれの「義母の母」が女学生時代にテニスをしていた、という話は実際にそうだったらしいが)

でも、母は、自分の夫の仕事のことなどは実名、地名入り真実で、バスケットと合わせると、虚実綯い交ぜて話している。
わたしは、一切、口を出さず。
おそらく、マッサージ師の方も、どれが本当で、どれが本当ではなくて、なんてことは問題ではなく、
よくあることと聞き流しておられるだろう。

壊れたテープ(イマドキ、テープもないか・・・)のように、ある程度の話が進むと、また同じ話になっている。
皆さん、お仕事で接する場合は、慣れたものである。
何度も同じ話をされようが、つじつまが合わなかろうが、
「そうなんですか。それは、これこれですよ」
と、いちいち、まじめに話に丁寧に付き合ってくれる。

お年寄りの似たような症状に、よく慣れておられるのだろうriental芝士波

とある知人のお姑さんは、息子の嫁のことを、嫁ではなく看護師さんだと思い込んでいて、
「いつもありがとう」
と感謝されるそうだ。
別の人で、嫁を嫁ではなくドクターだと思っているお姑さんもいて、これまた感謝されているとか。
「いつも、お忙しいのに、ありがとうございます」
と深々とお礼されるそうだが、お嫁さんは、複雑な心境らしい。

そのうち、わたしは、誰と勘違いされるのだろう?
実の娘で、しかもデキの悪いほうの娘だから、看護師さんやドクターだとは思わないだろう。
新興宗教の布教係の人とでも思われるかも知れない。
それはそれで、「いつもありがとうございます」とアタマを下げられるかも。
ミカンやら、柿やら、わたしが持ってきたモノを
「こんなモノでなんですが、どうぞお持ち帰りください」と親切にくれるかも知れない。

これは、きっと、かなり近未来、1年ぐらい未満先の将来のデキゴトのような気がする。
1年ではなくて、1ヵ月後、1週間後、次回会った時かも知れない。

娘とは認識せず、「いつもご苦労様です」と、手を合わせられそうだ。
それはそれで、幸せなことだ。
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